2008年02月13日

it's the same old thing as yesterday

いきなり"Message In A Bottle"から始まるなんて反則。続いて"Synchronicity II"だなんて、さらに反則。そういうおいしい曲は後のお楽しみに取っておくものではないのか?心の準備がまだできてないんだってば。

復活したPoliceを観に行ってきた。彼らの音楽は、学生時代に死ぬほど聴いていた。音楽はいろいろ聴いてたけど、最もよく聴いたのがPoliceの曲達だったように思う。止せばいいのに下手の横好きでベースも弾くようになったのは、間違いなくStingの影響だし。たまに髪を短く切るようにもなったのも彼らに出会ってからだし。当時気になってた女の子に告白して玉砕した時には"Tea In The Sahara"が流れていたし。何が言いたいかっていうと、要するに奴らは、とりわけStingは僕のヒーローであったわけであり、人生に足跡を残した存在だったというわけ。但し、僕が興味を持った頃には、既にバンドは存在していなかった。ライヴをこの目で見られる日が来るなんて、とっくの昔に「ありえないこと」だと諦めていた。ついこの前まで、いや、今日この日のステージの幕が上がるまでは。

そして、幕が上がったと思えば、飽きるほど聴いた、そしてギターで飽きるほど弾き倒したリフが奏でられているという次第。心の準備なんてあったもんじゃない。彼らにまつわる記憶が、全部まとめてフラッシュバックする。反則だろ。

音楽の方は、メンバーそれぞれ50歳をとっくに越えているなんてことは全く意に介していないとしか思えない爆音を奏でる傍若無人ぶり。奴らの辞書には「円熟」という言葉は存在しないのだと思われます。Sting名義のライヴでは、一部の曲が毒気を抜かれた渋いアレンジで再現されていたので、復活Policeまでそんな感じだったらどうしてくれようかと不安だったけど、全くの杞憂だった。とは言え、改めて聴いてみるとStingソロ作に見られるようなjazzyな音作りの原型が見え隠れする曲もあって、興味深い。アレンジも、アルバムに収緑された原曲の良さを生かしつつも、一捻りしてみたり、たまに逸脱してみたり。"Walking on the Moon"の浮遊感、"Walking In Your Footsteps"のプリミティヴ感、"Synchronicity II"の狂気。"King of Pain"の切なさ。何もかもが秀逸。80年代と比べて唯一変わったところと言えば、生き急いでいるかのような前のめりさが薄れて、余裕を感じさせるところぐらいか。でも爆音。

また、ステージの3人もさることながら、裏方の活躍も見逃せない。PA。Stewart Copelandのハイハットワークまで鮮明に聴こえる音響バランスが秀逸すぎる。バンドの華は確かにStingではあるけれど、音響の華は、Copelandの操る変幻自在なリズムと色彩豊かな音色であるのは間違いない。繊細な音が細部まで再現されていたのは、ほんとに凄いと思う。あと、ある時は"Don't Stand So Close To Me"でStingがベースペダルを踏む足元をスクリーンに大写しにし、またある時はドラムセットを離れて背後のパーカッション群へ急ぐStewart Copelandの姿をクローズアップで捉える映像。良い仕事しすぎ。観客が観たいもの、聴きたいものを完璧に理解してなきゃ不可能。素晴らしい。

曲目については、特にサプライズなし、新曲もなし。過去のライヴ音源に触れたことがある人にとっては予定調和。"Can't Stand Losing You"の途中で"Regatta de Blanc"を挟んでまた戻ってくるところまでいつも通り。"Every Breath You Take"がアンコールのラストに来るのも予想通りってものですよ。締めには最適だしね。とは言え、生でこれだけ見られて感無量。文句はございません。彼らの最大のヒット曲を聴きながら、これが最初にして最後の機会なのかも知れない、と余韻に浸る至福の時間。学生時代のビターでスイートな思い出の数々を脳裏に横切らせつつ、また明日から頑張ろう、と。最後の曲が終わって、ステージを去る3人を見送る。

・・・あれ?Andyが一人ステージに残って何やら煽ってる。「もう一曲やれってか?」と人差し指を立ててジェスチャー。観客の声援。「しょーがねーな」と苦笑いの一人芝居。真っ赤なFenderを再び手に取ってリフを紡ぎ始める。この展開で、最後の最後に出てくることのできる曲なんて限られてる。StingとStewartもステージに戻ってくる。彼らのデビュー作の冒頭を飾った"Next To You"。原点回帰。偽装パンク。格好良すぎ。完璧。

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The Police Live In ConcertTokyo Dome, February 14, 2008
Excerpt: 昨年からの再三の出頭命令を無視し続けてきたSunHeroですが、ついに根負けして最終日に急遽出頭しました(笑)。モチロン昨年デビュー30周年を記念してグラミー賞の授賞式で再結成お披露目ライブを敢行した..
Weblog: 音楽ウェブロッジSunHero
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